プロローグ②

「終わったか?シャルリア」

「あぁ、ガーダ王国の手の者だそうだ。口ほどにもない雑魚だったが」


男を始末したシャルリアに話しかける男はオブリ・テルマン。ハドーラ王国の騎士団長の一人である。


「ガーダ王国か……面倒なことになりそうだな」


ハドーラ王国とガーダ王国は隣り合っている国同士であるものの、現在の両国の関係は最悪と言っていいほどのレベルである。元々はひとつの国だったのが分断し、相互不干渉を公言したが、先代のガーダ国王が突然相互不干渉を破棄し、ハドーラ王国に戦争を仕掛けたのがきっかけで戦争に発展し、今に至るという背景がある


「しっかし、お前を暗殺しようとするなんてな。あっちはよっぽどお前が憎いみたいだな」

「私としてはただただ迷惑でしかない。せめてお前の方に行けばいいものを、腕試しは好きだろう」

「まぁな、お前との模擬戦も飽きてきたしな」



話は変わるが、ハドーラ王国の兵士の一部は剣と槍の腕前が高く、そこだけで言えばガーダ王国どころか他の国より高い、その理由は


「おいおいどうした?もうバテちまったか?」

「もう終わりか、つまらん」


この2人によって実践的かつ徹底的にボコボコに叩き込まれるからである



「あぁー痛ってぇ……!隊長たち今日も容赦なかったな」

「だろうなぁ、まぁそのおかげでこの国の一部の兵はレベルが高いからな」

「そのレベルが高い兵をボコボコにしごいてんのがあのふたりだもんなぁ」


そう、オブリは騎士団長、シャルリアが聖女という立場であるが鍛錬は自らがしているため質が高い

ただ、理由が仕事や上司で溜まったストレスを発散したいからというのは部下たちには内緒である

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