第70話

もしかしなくても、それは理人さんの腕で―――



「…ピアス。開けたくなったらいつでも言ってね。……僕が開けてあげる。痛くないように。」



――――だから、耳元でそんなこと囁かれたらだめなんだって。



あたしはそれに返事もしないまま、扉を開けて部屋を出た。


絶対、…絶対ピアスなんか開けないし。


色々と落ち着きたくてふぅ、と一息ついていると理人さんもすぐに出てきて“こっちだよ。”とあたしを案内する。


いつもと変わらない飄々とした態度があたしの胸をチクリと刺した。

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