第65話

理人さんが出ていってからお風呂に入って今頃微かに香る石鹸の匂いが恨めしい。


あたしはドライヤーを片付けてベッドの隣においてある大きめのダンボールに手をかけた。


「…何着ようかな。」


この中には施設から送られてきた僅かながらのあたしの私服が入っている。


理人さんたちは部屋にある箪笥を使っていいって言ってくれたけど、どうせ2週間だけだしわざわざ面倒くさいのでダンボールに仕舞ったまま。


一体どんな巧みな嘘で施設の先生たちを欺いたんだろうか。というか施設の先生たちも騙されやすすぎなんじゃないか。いつか地面師に施設の土地も騙しとられないか、すごく心配だ。

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