第55話

扉が完璧に閉まると、食べ終わった食器を洗いに戻った。

夏が過ぎ去り、秋が顔を出し始めたせいか冷たい水が肌を刺すように痛い。




――――本当は気づいている。



施設と違って二人分しかない洗い物はあっという間に終わり、寝室に入る。

あたしが使わせてもらっているこの一室の中には引き戸を隔ててもう一部屋ある。

それがトイレ、風呂完備のこの寝室。


些か大きすぎる気がする黒のキングサイズのベッドにランプシェード。

全体的にモノクロを基調とした落ち着いた雰囲気。

強いて言うならば摺りガラスの浴室が少し卑猥だ。


あたしは寝室に入るや否やドサッとベッドに倒れ込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る