第19話
「最初はただの家出だと思ったんですけど連絡もつかないし、もう1年ぐらい帰ってきてません。」
「…ご家族の方はどう言ってるの?」
「…母親はあたしが中学の時に死にました。今は施設で暮らしてます。
弟は、その…素行がよくなかったので施設の人も弟をあまりよく思ってなくて、ただの家出に決まってるって取り合ってくれなくて…。」
「…そう。警察にも届けは出してない?」
「…はい。」
「どうして…僕達を頼ろうと思ったの?」
両手を口の前で組んだ理人さんは上品にコテン、と首を傾げてみせる。
容姿が秀麗な人は何をやっても様になるから怖い。
「手紙が届いたんです。」
そう言ってあたしは唯一持ってきた一通の手紙をポケットから取り出した。
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