第3話
「────…え?またデートに行くの?」
「そう!またって言い方は何?」
「だってそうでしょ。この前も行ったばっかりなのに。しかも結婚記念日とかでもないじゃん。なんで?」
「この前見てた雑誌にね、すごく可愛いネックレスがあったの!可愛いなぁって呟いてたらパパが見てくれてたみたい」
うっとりとした表情でそう話すお母さんは乙女そのもので、とても娘に見せる表情とは思えない。
結婚してから何年経っても、長男のお兄ちゃんが高校生になっても、私の両親の仲良さが変わることはなく、ずっとラブラブ。私が恥ずかしいくらい。
「夜ご飯までには帰ってくるから心配しないで?」
「別に大丈夫だよ。留守番なんて慣れてるし、2人でゆっくりしてきたら?」
「そんなの……。小学生の夕莉を1人にするなんて」
お母さんの言葉に少し呆れる。本当はゆっくりしてきたいくせに、こういう時には娘の私に気を遣うんだよね。
ってか、私を1人にすることを気にするなんて今更だし。この夫婦は毎月何回デートしてると思ってるんだ。それに……。
「夕莉1人じゃねぇだろ、母さん」
「あら憲太、おはよう」
「はよ。俺もいるんだから安心してゆっくりしてきたらいいだろ。夕莉と留守番してるから」
お兄ちゃんが2階から降りてきてそう言う。やっと出てきてくれた……。
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