19.“あたし”が生まれた日
第2話
幸せだった。
お父さんがいて、お母さんがいて、お兄ちゃんがいて。
お父さんとお母さんは見ているこっちが恥ずかしくなるほどラブラブで。結婚記念日には必ず2人でデートに行くし、好きだというオーラを隠すこともしない。
お兄ちゃんはいつもあたしの味方でいてくれて、困った時にはすぐに駆けつけてくれるヒーローだった。
本当に幸せで、家族が大好きで。
“暁夕莉”として生まれてきたことに誇りを持っている。
この幸せは当然のようにずっと続くと思っていた。
中学に入学して、高校に入学して、大学に入って、就職して……。
将来の夢なんて決まっていなかったけど、お父さんとお母さんに親孝行するんだって決めていたのに。
あたしの幸せは呆気なく崩れていく。
気がつけば、あたしは独りになっていた。
きっとあたしたちの運命の歯車はあの日から狂い始めていて、こうなることももしかするとあの日にはもう決まっていたのかもしれない────……。
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