第7話

◽︎



店内も、やはりお洒落だった。


もうクローズして片付けも終わっているので、きっと営業中よりは照明も暗いのだとは思うけれどその温かい灯りの色は、見つめるだけで優しい気持ちにさせる。



決して広すぎないその店内は、内装もウッドベースに仕上げられていて全体的に落ち着いた雰囲気がある。


「カウンター座って。」


「あ、はい、」


キョロキョロと中を見渡してしまった私の様子にクスリと笑った彼は、カウンターの反対側へ回る。



恐る恐る少し高めの椅子に腰かけた私に、それから数分後、クリーム色の可愛らしい陶器のマグカップをそっとカウンターに置いてくれた。



「どうぞ。」


「あ、りがとうございます…」



そっと手にして顔を近づけるとふわりと湯気の熱を感じるとともにとても優しい香りがした。


口付けてゆっくりと流し込むと、フルーティなそれが私の喉をじんわりと潤す。



「…美味しいです。」


「良かった。丁度ハーブティーがあったから。」


「…ここは、カフェなんですか?」


「いや、全然。和食バルだよ。

このお茶、お店で出してないし。」


「え。」


「多分店長が好きで置いてるやつだな。勝手に使ったけどまあ良いや。」



ハーブティーの箱を見ながらそう呟く彼の発言に私は違和感を抱く。

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