青春恋愛 12首

夕立に佇む君に傘渡し駆け出す私はごめんね泥棒


仲人になりたかったの本当に捩れた赤い糸は傲慢


ぬるい春素肌をなぞる帰り道はじめて繋いだ手だけ冷えてる


どこに行く行き先はないけど手を繋ぎ門限までは迷子のふたり


細い胴振り落ちないようしがみつく赤切符もらってふたりは公認


廃ビルにふたりっきりで迷い込みこのまま朽ちてしまえばいいね


改札を出たとこ今日も待ちぼうけ君と私の温度差ひたひた


溶けていくアイスカフェモカは泥まじり君と私が眼をそらすカフェ


昨日までは君だけがすべてだったけどこれが私の最後のサイコロ


寄せ書きのあなたの部分を切り抜いて飾る色紙は欠席写真


ねえ昔イヤホンを分けあったよね割り切れない紐力任せ裂く


卒アルの個人写真を切り抜いて思い出の君笑ってくれよ



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