ギリギリ綱渡り若さの枯渇17首
何者と問われたら満ち足たり名乗り上げ そうなりたかった三十までに
若い子はそれだけで価値があるからね呪いの重さに気づかないまま
なんにもない背中の軽さは脅迫だ握り拳は脆く小さい
確固たるなにかが欲しくてたまらないくだらない子にサンタは来ない
黒い羊それは私よ真っ黒よだけどこの黒ペンキ塗りたて
右向け右そこに思想はないのです泳ぎ切る人の仮面は精巧
若い芽に除草剤でもぶちまけて抜いても生えて私焼け跡
こんなことしてなんになる無駄になる こぎまくるペダルずっと空踏み
その名前で呼べばなにかが崩れ去るわかってくれよみじめな僕を
よるべない不確かな池に足を入れ沈みきれない無様な満月
あの人の才能を切り刻みたいポリッと歯応え冴えたぬか漬け
どの役も無駄な役などないのです んなわけねえだろ主役の言い草
名台詞以外死んでも口にしないだから私の口は縫いとめ
指一本岩間にかけてぶら下がる殺されるまで続く惨敗
昨晩と今朝の境を探す不毛私に正しい朝など来ない
ご破算ですこれ足すこれ足すこれ足して自己満足の悪あがきなり
これっきり絶望すれば美しい手放せないのは沸る煩悩
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