揺蕩

Unk

第1話


いつから思い始めたのだろうか。



物心ついた時にはもうそうだったのかもしれない。あるいは最近になってからなのかもしれない。良くはわからないが、まあ今思っているということだけは確かである。



何事かと思うだろう。

説明しようとは思うのだが、如何せん経緯が難しい。自分でもよく分からないのである。

拠って自分の生い立ちを詳説する。





先ずは小学生の頃だ。

この頃は大人しめの子だった。

中休み(一限目と二限目間の十分休み)昼休みにそれぞれ図書室で返却貸出していた。

お陰で1050冊は読んだだろう。



四年生くらいになると、恋愛がどうの、好きな人はどうのと、精神成熟がはやい、所謂意識高い系女子内での話題が少しずつ変わり始めた。自分は恋愛に関心はなく、寧ろ何故そんなものに熱中できるのかを不思議にすら思っていたくらいだ。成就しなければ心傷になる、そんな悩み多きものに何故傾倒しているのか今でもあまり理解できない。


放課後や休日は近所の男子とカードゲームやオンラインゲーム、ドッチボールやスケボー等で遊ぶことが多かった。女子も居たのだが、話について行けなかったため、今でも殆ど関わりがない。



五年生くらいになると、修学旅行の事前学習等、男女の差が心身に出始めた。

拠って必然的に校内での性別問わずの関わりが制限される風潮になった。




次に中学生の頃だ。

中一になると、流石に周りでも会話内容が色恋に変わり始めた。今度はあの二人が付き合ってるらしい、あの組は別れたらしい等、色々な噂や憶測が飛び交い始めた。



中二になると、クラスが変わり男子と話すことが少し増えた。然し乍ら其れに気があると勘違いした者が、執拗に話しかけてきため、軽率な感じの人は不得手となった。



中三になると、友が此方も執拗に話題に出してきた。その為に隣のクラスに居た一年の頃仲が良かった人に名目作りに話しかけに行った。其れを見て、友まで揶揄う様になった。


又、いじめに遭った事で人間不信に陥り、27日間学校を休んでいた。休学期間中は

曲を聞くことで自殺願望を紛らわせていた。然し、自分の不甲斐なさに嫌気が差し、抑えきれずに、自傷、毎夜泣くこともあった。

その後、精神状態が良化したため、学校に行き始めた。そして、趣味の合う友も見つけ、時には、揶揄われる事もあった(即否定した)が、三学期は楽しく無事に過ごした。


中学生になっても読書は変わらず続けていた為、三年間で630冊は読んだ。

中でも『かがみの孤城』は、主人公の境遇が自分と似ているため、精神的に何度も助けられた。




最後は高校生の頃だ。

高一になると、クラス内に話しやすい人、趣味が合う人も居た為、積極的に話しかけるようになり、新たな友ができた。



高二になった現在は、同部活の人や、これ又趣味が合う人、同中学だった友と同じクラスになり、良い環境である。


こうして書き出すと、結構悲惨だとは思うが、良い出会いもあった為、昔と比べれば好転である。




高二の頃から、『自分が男だったらよかったら』、『女じゃ無ければ虐められなかったのか』等と強く思い始めた。

その事もあり、現在は一人称を少し変えたり、性別を書かなくて良い時は書かない等、

細やかな事をしている。

時折一人称が俺になるがまあいいだろう。

其れも、自分を変えれている証拠である。


後悔していることが一つある。

其れは制服を買う時に、ズボンを選択しなかった事である。当時は又いじめられるのではと思い断念した。

然し乍ら今となっては買っておいて欲しかったと思う。



最近になってやっと自覚し始めた事ではあるが、これは小学生の時にはもうあったのかもしれない。そして、周りの環境によるものでもあると考える。

恋愛願望はないし、人を好きになるという気持ちも結局分からなかった。

中学の時に仲の良かった人とは、少し申し訳なさがあるが、時々連絡を取っている。


自分は、そう云う感情が薄いのか、壊れていたのか、そもそも性的感情がないのではと考える時がある。

其れは其れで良いのかもしれない。

唯、月一で腹痛になるのは流石に堪える。

又、大声と制汗シートの匂いには未だに慣れない。いじめられていた時の名残である。

下手したら、壊れるのではと考える。



こんななりで書いてはいるが、そんな些細な事と思う人もいるかも知れない。だが分かっていて欲しいのは、こんな事でも、悩み苦しむ人もいるということだ。理解されずに苦しみ、挙句の果てには自殺まで行く。相談した所で理解が広がっていないから、結局相談しても無駄だと思い、一人で抱え込む。それか気味悪がられて虐められる始末だ。


こういう形で見知らぬ人にまでカミングアウトする羽目になるとは露にも思っていなかったが、これを読んだ知人は驚くだろう。 

然し、接する態度は変えないで欲しい。今が一番自分らしく生きれている。その状況さえ変えられてしまったら、どう生きていけば良いかすら分からなくなる。だから難しいとは思うが、変わらないでくれたら俺は嬉しい。





拙文を読了して頂いた事に哀心より感謝を





         令和7年7/18(金)6:20

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