第6話

「ファウラス様のご提案でなければ答えはノーでしたわ」

アンジェはそう言いながらプイッとそっぽを向いてしまった。

「俺もだ。それより…」

ディアブロは凜々と想良を見る。

「地球から来た人間で女の子の方がリリと言ってソロモン寮に、男の子の方はソラと言ってマリア寮に属する力の持ち主みたいだよ」

アインがディアブロに想良と凜々の説明をした。

「ソラとリリ…」

ディアブロは二人を見たまま止まった。

「マリア寮に男が入寮するとは珍しい事もあるもんだ」

ディアブロは笑う。

「入寮はしてませんわ。させた方がよろしいかしら」

ファウラスは「ふふふ」と微笑っている。

「本気で言ってるとこが怖いよな」

「もう慣れましたわ」

「あっそう」

アンジェとのやりとりの直後ディアブロは深い溜息をついた。

「しかしグールが現れたと言う事は冥界の扉が開いていると言う事なんでしょうね」

ゲイルが言う。

「まさか旅ってのは冥界まで行けって事っスか?」

ディアブロがファウラスを見る。

「場合によってはそうです」

ファウラスは答える。

ディアブロは「げっ!」と言いながら物凄い表情をした。

「アインはリリに錬金術を、ジャンヌはソラに回復魔法の基本を教え込む様にお願いしますね」

ファウラスはそう言いながら笑顔でジャンヌとアインを見た。

「能力には目醒めているんですよね?」

ジャンヌが挙手してファウラスに質問した。

「ええ。何かしらの能力は――ですけど」

ファウラスは笑顔を絶やさない。

「わかりました」

ジャンヌは頭を抱えながらそう答える。

「ちなみにこの方はグランマ・ファウラスと言ってこのリュウィーズ魔法学校の校長先生です。ではソロモンへレッツゴー!」

アインは空飛ぶほうきに跨がる。

「外に出てからにしろ。お前は良くてもリリには良くない」

ジークがアインを止めた。

「ダメ?」

「あたし、空飛べません」

「そっか」

アインはほうきから降りて教会の入口までは歩いた。

「乗って」

アインは再びほうきに跨がる。

「バイクみたいなもん?」

「みたいだね」

「成程」

想良の言葉に凜々は一人で納得した。

「ばいく?」

アインがキョトンとした。

「空飛ばないこんな感じのやつ?」

「それじゃただのほうきだよ」

凜々の言葉にアインは爆笑した。

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