第39話 ワイン工房での出来事

 ディオニュソスさまのブドウ畑はとても素晴らしいものだった。地球規模では考えられないような広大さと、整然と並ぶブドウの木々。今は休眠期だから葉っぱもなく茶色の畑は少し寂しい感じがする。

 でも、アリアさんによると、これからもっと暖かくなってくれば緑や花で賑やかになるんだそうだ。その時にはぜひまた、来てみたいな。


 それはそうと、フォルは一体、どうしたんだろう?さっきまであんなに意気揚々としてたのに。今はなんだか物悲しそうな表情だ。本人はなんとか隠そうとしてるのかも知れないけど、僕にはなんとなくそう感じた。

 何かあったのかな……?心配だけど、聞いてもいいものか……悩むなぁ。


「皆、着いたよ!アルテミスちゃんとフォルは知ってるだろうけど、ここがボクたちのワイン工房『大地の恵み』さ」

「皆様、ようこそおいで下さいました。心から歓迎いたしますわ」


 ディオニュソスさまとアリアさんが揃ってお辞儀をし、僕たちを歓迎してくれた。


「わぁっ!素敵!!建物がおっきいね、流星!日本でもこういう場所って来た事ないから、とっても感激!」

「凄く立派だわ~!ここで葡萄酒を造ってるのね!」


 千秋とデメテルが歓喜の声をあげる。確かに、大きくて立派な建物だなぁ!レンガ造りのものや白い壁にオレンジの三角屋根のもの、赤い屋根のもの、様々な建物がいくつも建ち並んでいた。この圧巻さはちょっと言葉じゃ上手く言い表せないや。


「こっちももの凄い広さですね!?あんなに建物が沢山!」


「流星君、驚いたかい?うちでは葡萄酒以外に、他の果実を使った酒も造ったりしてるんだ。まぁ、それでも、全体の七割は葡萄酒なんだけどね。そして、製造から運搬、販売、販路の開拓と、全部うちでやってるんだ。それで、どうしても建物も人数も多くなってしまうのさ」

「そうなんですか!それは凄い規模ですね!運搬ってことは、さっき僕たちがいた街まで運ぶんですか?」


 あれだけ広大な畑なら、相当な量の葡萄酒が造れそうだもんな。運ぶだけでも大変そうだ。


「もちろん街もだけど、それだけじゃないさ。天国の大神帝様にも毎月、お届けしてるんだ。光栄なことにうちの葡萄酒を大変、気に入って頂いていてね」


 そう話すディオニュソスさまは、とても嬉しそうな顔で笑った。


「お兄ちゃん、どうやってお酒を運ぶと思う~?」


 いつの間にかそばにいたアルテミスが、ちょっともったいぶった表情でそんなことを聞いてくる。こういうの少しフォルに似てるよね。もしかしたら、影響を受けてるのかも知れないな。そんな二人の関係が微笑ましくて、僕はついつい笑顔になってしまった。


「どうやって?そうだなぁ。こう……荷車みたいなものに乗せて馬に曳いてもらうとか?」

「ぶっぶ~!ちがいま~す!正解はねぇ、天使さんたちに運んでもらうんだよ~!」


 えっ!?


「そうなの!?あ!天使さまってもしかして、空を飛べるの!?」


 翼があるから飛べても不思議はないのか。日本だとそんな人いなかったら、普通に頭からそういう考えがすっぽり抜けてたよ。


「あら、流星ってば、気が付かなかったの?街でも結構な数の天使様が上を飛んでたよ?ねぇ、デメテル?」

「そうね。気が付いてたと思ってたんだけど……まぁ、流星にとっては初めての街だったし、結構、周りが混雑してたから気が付かなくても無理ないわね」


 デメテル、優しいな。ていうか、千秋は気付いてたのか!よく周りを見てるんだなぁ。どっしり構えてるというか落ち着いてるというか……そういうタフなところ、羨ましいな。


「特に、天界のあちこちの街で行われる秋の収穫祭!それに合わせて運ぶ数千人の天使たちの姿は圧巻だぜ?天界の風物詩にもなってるくらいだからな!アタシ、毎年その時期が一番の楽しみなんだ」


 そう教えてくれたフォルは、無邪気に笑った。あれ?もうさっきのは大丈夫なのかな?なんだかよく分からないけど、とりあえず、いつものフォルに戻ってくれたみたいで安心したよ。

 それにしても、本当に嬉しそうな顔してるなぁ。それだけ、楽しみなんだね。なんだか僕まで楽しくなっちゃうよ。


「わぁ!それは凄そうだね。私も見てみたいなー!」

「千秋、今年も秋になったら収穫祭やるから、楽しみにしててね?」

「うんうん!アルテミス、ありがとう!今から楽しみすぎるー!!」


 千秋とアルテミスも楽しそうだな。


「ねぇ、デメテル?そういえば、神さまたちの街ってさっきのとこ以外にもあるんだね?」

「えぇ、そうよ?まだ流星には話してなかったかしら?私たちが住んでるのが『天上の都エリュシオン』と呼ばれてる街ね。他にもいくつかあるんだけど、『天上の都エリュシオン』が一番大きい街なんじゃないかしら」

「街の大きさの話かい?正確に調べたことはないけど、ボクもそうだと思うよ。それで、いまフォルが言ったように、街ごとに収穫祭をやるんだよ。ただ、場所によってはうちみたいなワイン工房がない街もあるんだ。あっても、小規模だったりね。だから、うちから造ったものを運んでるのさ」


 デメテルの言葉にディオニュソスさまも加わって、そんなことを教えてくれた。


「流星も収穫祭、楽しみにしててね?少しの時間だけでも、二人きりで過ごせたらいいわね」


 こそっと僕の耳元に口を寄せて、そっとささやくデメテル。目が合うと恥ずかしそうに目を逸らし、そっぽを向いてしまった。頬を朱に染めたその横顔はとても可憐で、思わずぽけ~っと見とれてしまう。彼女の愛らしさに上の空の僕はただ一言、うん、とだけ答えるのがやっとだった。


◇◇◇


 向こうの方に神さまや天使さまたちが大勢いるけど、今は皆、休憩中みたいだ。お昼ご飯かな?ベンチや芝生に座って楽しそうに食事してるね。なんだかいいな、こういうの。皆、生き生きとしてて表情が明るいや。きっと、このワイン工房の環境が素晴らしいからなんだろうな。


「へへっ!どうだ、流星?来て良かったろ?」


 ポンと肩を叩きながら、フォルが弾んだ声で話し掛けてくる。


「うん!ここは本当に素晴らしい所だね!ブドウ畑もここの建物も凄く立派だし、歴史を感じちゃうな。それに、周りにいる皆がすごく楽しそうにしてるのがまたいいよね!」

「あぁ!ディオニュソスんとこは酒も大事にしてるが、働く神や天使のことも凄く大事にしてるんだ。だから、皆も一生懸命に働く。給金だけじゃない関係ってなんだかいいよな」

「あら?お気付きなりまして?」


 ふふっと穏やかに微笑みながら、アリアさんが僕たちのそばへやってきた。


「皆さん、とても『大地の恵みこの工房』を大切にして下さるんですの。きっと、ディオ様のお柄のお陰ですわ」

「そんなことないさ。アリアの働きのお陰だよ。アリアが来てくれてから、うちの工房は変わったんだ。今、あそこで皆が食事してるだろう?」


 ディオニュソスさまが視線を僕たちから芝生の方へ向け、それからまた僕たちに戻す。


「あんな風に交代で休憩時間をとったりするようになったのも、ここ最近のことなんだ。それまでは、皆が一斉に昼休憩に入っていたからね。そうすると、どうしても作業が止まってしまうんだよ。それについてはここで働く皆も思うところがあったみたいなんだ。そんな時――」


 そこまで言って彼はアリアさんの方を向き、その白くほっそりとした手を両手で優しく包み込んだ。


「交代で休憩に入ることを、アリアが提案してくれたんだ。最初は皆、とまどっていたんだが、そのうち、その方が能率が上がって残業も少なくなることが分かってね。皆、大喜びってわけさ!」


 説明するディオニュソスさまの手振り身振りがだんだん、激しくなってくる。本当に嬉しそうに話すよね。それだけ革命的だったんだろうな。

 日本でも飲食業や工場なんかは交代制で休憩をとったりしてるしね。それも、アリアさんの生まれた世界の知識だったのかもしれないな。


「そうなんですか!?アリアさん、凄いです!まさに働き方の 発展形 エヴァリューションですね!」


 そばで話を聞いていた千秋が、キラキラした瞳でアリアさんを見つめていた。千秋も少しの間とはいえ、アルバイトしてたから働くことの大変さは分かってるんだろうな。働き方改革は大切だよね。

 ところで、そのネイティブっぽい発音はなんなんだろ?『恋の三角関係』もネイティブっぽく言ってたし(なんちゃってネイティブだったけど)。千秋の中で流行ってるのかな?


「いやですわ。そんな、褒めて下さっても何も出ませんわよ?せいぜい――」


 照れた様子で若干、頬を染めながら俯き加減に微笑むアリアさん。この人もほんと綺麗だな。ディオニュソスさまが好きになるわけだよね。さっきのまんじなんとかって技は嫌すぎるけど。


「高級葡萄酒と最近、新開発したお酒をご用意するだけですわ」


 いや、めっちゃ出して貰えるんですけど!?


「やったーっ!!それが楽しみだったんです!」

「ちょっと、フォル!失礼よ!ごめんなさい、アリアさん」


 子供の様に全身で喜びを表すフォルと、それをたしなめるデメテル。この二人もどっちかって言うと、姉妹みたいだよなぁ。デメテルがお姉さんでさ。そういえば、アカデミー時代もデメテルがお姉さんぶってよく庇ってくれたって、フォルが話してくれたっけ。あの時のフォル、とっても嬉しそうだったな。


「ははっ!真面目な面もあるかと思えば……全く、相変わらずだな。君は」

「いいじゃありませんか。自分の感情を素直に出せるって素晴らしいですわよ?大人になると誰しもだんだん、本当の自分を押し殺してしまうものですもの。本音を臆せずに話せるって素敵ですわ……」


 本当の自分か……確かにそうだよね。子供の頃とは違って、大人は建前と本音を使い分けちゃうもんな。それにしても、アリアさん、なんだか自分自身に向かって言ってるような気がするけど……気のせいかな?


「ねぇねぇ、わたし、喉渇いちゃった。中に入ってもいい?」


 アリアさんのスカートの裾を、くいっと小さな手で掴むアルテミス。


「ちょっと、アルテミス!あんまり図々しいこと言わないのよ?」

「あらあら、ごめんさいね。アルちゃん、気が付かなくて。デメテルさん、いいんですのよ。さあさ、皆様もどうぞ、中へお入りになって下さいな」


 そう言うと、アルテミスと手を繋ぎ、扉を開けて工房の中へと入っていくアリアさん。


「もう!アルテミスったら……」

「まぁまぁ、あのくらいの年頃ならどこの世界でもああいう感じだよ。いいじゃないか、子供らしくてさ。アリアさんを見てごらん?あんなに優しい笑顔を向けてるよ」

「……そうね。お言葉に甘えさせてもらうわ」


 前を行くアリアさんとアルテミスの様子を見て、デメテルもお小言は止めたらしい。じゃ、私たちも行きましょ!とフォルにも声を掛け、千秋と僕の手を引っ張って中へずんずんと進んでいった。


「おっ邪魔、しまーーっす!!」

「千秋、声ちょっとおっきくない?嬉しいのは分かるけどさ、もう少し大人しくしなきゃ」

「流星君、構わないよ。ボクもアリアも賑やかなのは好きだし、皆が来てくれて嬉しいんだ。ぜひ、色々な種類の酒を楽しんでいっておくれ」

「ディオニュソス様、さっすがですね!ありがとうございまーす!」


 千秋、テンション上がってるなぁ。ま、楽しんでるなら喜ばしいことなんだけどさ。


「はい。ありがとうござ――」

「なぁなぁ、ディオニュソス!新開発の酒ってどんなのなんだ?」


 僕の言葉が終わらないうちに、待ちきれないといった様子でフォルが質問し始めた。


「え?あぁ……葡萄酒を蒸留して造ったものだよ。アリアが製造方法を教えてくれてね。最近、やっと安定して造れるようになったのさ」

「よくわかんないけど、へー!それは楽しみだな」


 よく分かってないのに喜ぶフォル。蒸留か。それってもしかして、あれかな?


「あの……僕、そんなにお酒は詳しくないんですけど、それってブランデーのことですか?」

「おや?よく知ってるね!?流星君の世界にもあったのかい?」

「そうなのですか!?流星さんの星も進んだ文明をお持ちなのですね!」


 ディオニュソスさまだけでなくアリアさんまでもが珍しく驚いた様子だ。


「え、えぇ。進んでいるかは分かりませんが、僕のいた星にも同じようなお酒はありました。肉料理のフランベに使ったり、お菓子の香り付けに使ったりするんです」

「まぁ!!?流星さん、もしかして、料理にお詳しいのですか?私、料理のレパートリーを増やしたいんですの。よろしかったら、相談に乗って頂けませんか?」

「詳しいって程じゃありませんけど、僕で良かったらぜひ!今日はこの後、街へ戻りますので、良かったら後日にでも――」

「はい!はいっ!!私も!私も料理の相談がしたいわ!」


 ……っ!?アリアさんとの会話に突如として入ってくるデメテル。


「あ、え~っと……その、実は流星に天界の食事改善のために力を貸してもらうことになったんです。それで、私は担当神なので……あの……」


 恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせて俯き、もじもじと口ごもるデメテル。そんな彼女をじっと静かに優しい眼差しで見つめるアリアさん。やがて――


「もちろんですわ。いまデメテルさんも誘おうと思ってたとこでしたのよ?」


 その言葉を聞いた途端、ばっと顔を上げるデメテル。そして、アリアさんが、分かってますわ、とでも言いたげにデメテルに軽くウィンクをしていた。


「ありがとうございます!アリアさん!」


 もしかして、デメテルが焼きもちを焼いたのを察して、そう言ってくれたのかな?ほんとに気遣いのできる素敵な人だなぁ。


「あー!デメテルだけずっるーい!私もいいですか?」

「料理と言ったらアタシ抜きには語れないさ。そうだろ、流星?アリアさん、アタシもぜひ、お願いします!」

「お兄ちゃん、アリアさん、わたしもお料理したいな~」


 千秋とフォルに続いてアルテミスまでもが、仲間に入れてもらいたそうな顔をしていた。


「なるほど……勝ち取るために、時にはこういう積極性も必要ってことなのか。なるほどなるほど……」


 すぐ隣ではディオニュソスさまが独りで何かぶつぶつ言ってるし。


「えぇ、もちろんですわ!人数が多い方が色んな意見も聞けますし、何より楽しいですものね。皆様も一緒に料理の相談会をしましょう!」


 アリアさんの言葉に、わぁっ!と盛り上がる女性陣。確かに、良いアイデアかも知れないな。僕とアリアさん、それにフォルとで料理を作って皆に試食してもらおうかな。それから、デメテルとアルテミスには神さまたちが元々、天界でどんな料理を食べていたのかも聞けるしね。千秋には知ってる料理を箇条書きにでもしてもらおうかな。スイーツも色々、知ってそうだし。


「あら、なんだか楽しそうね~。私も混ぜてもらっちゃおっかな~?」


 えっ……!?こ、この声って……!


「「!?」」

「「「レーア様!!」」」


 レーアさま!?ってことは、やっぱりデメテルたちのお母さんか。この方が……! デメテルとアルテミスが驚きで言葉を失い、そして、フォル、アリアさん、ディオニュソスさまがほぼ、同時に叫んだ。


「あの人、誰?わっ……すっごく綺麗な人だね!?これは見とれちゃうって!もしかして、デメテルのお姉さん?」


 ワンテンポ遅れて、何も知らない千秋が感嘆の声を漏らす。


「わぁ、嬉しい。ありがとね~。こんにちは、あなたが千秋さんね~?」

「えっ?あ、こんにちは。そうですけど……」

「あの方はデメテルとアルテミスのお母さんみたいだよ。僕もお会いするのは初めてだけど」


 小声でそう伝えると、え!?と目を丸くして驚く千秋。そうだよね、若すぎてお母さんにはまったく見えないもんな。


「魂の綺麗な方なのね~。とっても優しくて温かい感じがするもの。素敵な魂をお持ちだわ~」


 妖艶な笑みで千秋に話しかけるデメテルのお母さん――レーアさまは次に、僕へと視線を向けた。


「そして、あなたが流星さんね~?いつも娘がお世話になっております」

「い、いえ!こ、ここ、こちらこそ!大変、お世話になっておりまふ!!」


 急に話しかけられて驚いた僕は、しどろもどろになりながら慌てて頭を下げた。どうして、僕と千秋の名前を知ってるんだろう?


「レーア様、ご無沙汰しております」

「まぁ、アリアさん!私の方こそ中々、連絡できなくてごめんなさいね~。お元気~?」

「はい、お陰様でご覧の通りですわ。レーア様におかれましてはご健勝のよし、安心いたしました」


 レーアさまとアリアさん、すっごく仲良さそう。


「えぇ、ありがとう。私もいつも通りよ~。そういえば、うちのアルちゃんがいつも迷惑かけてごめんなさい。お仕事の邪魔してたら叱ってやって下さいね~」

「いえ、お邪魔だなんて!アルちゃんの明るさと純粋さにはいつも助けられてますわ。遊びに来てくれると、私も皆も凄く楽しい気持ちになるんですのよ」


 美女二人が談笑してる姿っていうのも絵になるなぁ。それにしても、レーアさまって本当に若くて綺麗だなぁ。千秋がデメテルのお姉さんと間違えるのも無理ないよ。


「あの!お母様!流星と千秋は――」


 デメテルが何か言いかけたけど、彼女はそんなデメテルを優しく見つめ、分かってると言わんばかりに手で制した。


「デメちゃん、大丈夫よ~。心配しないでいいわ~。そちらのお二方の話は、夕方にでもお伺いしますね。流星さん、千秋さん、お夕飯はぜひ、うちで食べていって下さいな」

「はい、ありがとうございます!」

「わぁっ!いいんですかー!ありがとうございます!デメテルさんとアルテミスちゃんのお母様、私、門間千秋と申します。よろしくお願いします!」


 千秋、凄いな。この荘厳な雰囲気の中、デメテルたちのお母さんだと知ってきちんと自己紹介ができるだなんて!僕なんて頭を下げるので精一杯なのに。

 ディオニュソスさまもフォルも凄く緊張してる。それに、デメテルだっていつもより表情が硬くてだいぶ雰囲気が違うな。いつもと同じなのは千秋とアリアさんと……アルテミスの三人か。


「えぇ、よろしくお願いしますね~」


 千秋の元気な発言に、柔らかい表情を浮かべて言葉を返すレーアさま。ちょっと緊張しちゃうけど、優しそうな方だな。そう思っていると――


「お母様~!」


 アルテミスが嬉しそうに彼女に駆け寄っていった。しかし――


「え……お、お母様?」


 突然、場の空気が一変し、あり得ない程強烈な神力が生じる。ここだけいきなり重力が何倍も強くなったかのような凄まじい圧。まるで、見えない何かにもの凄い力で押さえつけられてるみたいだ。一歩も動けない!な、なんだこれ……!?


……!時空間移動を使う時の条件、まさか忘れたとは言うまいな……!?」


 レーアさまの雰囲気が先程までとは明らかに違う!聖母さまのような方だと思ってたのに、これはまるで修羅……!?




☆☆☆


ディオニュソスの想い人、アリアドネのイメージイラストを作ってみました。

お時間ある方はこちらからぜひ、ご覧ください。

近況ノートに飛びますので、下にスクロールしてご覧くださいね。


https://kakuyomu.jp/users/reonmariko/news/822139840802596431

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