第40話

……言い返したいが、体が熱くて気持ち悪くて声が出ない。

「…ごめん、失言だったな…。なんだか、酔いがさめたよ。寛人くんも調子悪そうだし、帰るか? ここにいるよりはベッドで寝た方がいいだろうし」

しゃべれないので、僕は頷いた。

それが精一杯の意思表示だった。

口をおさえ、なんとか立ち上がる。

一気にとっくり全部の焼酎なんか飲むんじゃなかった…。

ふらふらと歩きだすと信司さんが肩を貸してくれる。僕の右腕を自分の肩にまわし、抱える形になる。

少し、楽になった。

そのままレジに行き、信司さんが会計をすませ、店を後にする。

腕時計を見るともうすっかり深夜で、風が時々通り抜けた。

その風は気持ちいいのだが、なんだか寒い気もした。

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