第38話

決まってる。まだ悟志が好きだからだ。

勢いでビールを頼み、一気飲みした。

「いいのみっぷりだね~」

…信司さん、楽しそうだ。

……あれ?

悟志のことでイライラしてたけど。

今、信司さん、ものすごく重要なことを言わなかったか?


言葉を反芻する。


俺あいつのことが好きなんだから……。


ええ!?

「ほんとですか、信司さん!!」

思わず、信司さんの肩を掴む。

「何が?」

…そうとう飲まれてるな、この人。

「あなたが悟志を好きだってことですよ!」

それを聞くと信司さんはにっこり笑う。

「ああ、ほんとだよ。ちなみに君が悟志を好きだってことも知ってるよ」

信司さんの笑顔が、消えた。

僕の酔いが醒めた。

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