第30話

「ほんっと遅すぎ~!目えつかれたよ!」

信司さんは目をこすりながら言った。

本当に疲れたらしい。

「あはは。ごめん、ちょっと教授に話したいことがあったからさ~。あ、そうそう、昨日言ってた助っ人~、オレの大学の友達で前田寛人っていうんだ」

僕を親指で指さしながら、悟志は笑って言った。

「おお!!天の助けってやつ? あ、オレ、正田信司っていいます。今日は手伝ってくださるんですって? 宜しくお願いします~」

信司さんは嬉しそうに頭を下げた。

「はい、こちらこそ」

僕もつられて頭を下げる。

「んじゃ、自己紹介も終ったことだし、ちゃっちゃっとやるか~」

こうして。僕の短期バイトは始まった。

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