第20話
「いらっしゃいませ~。レンタルは一週間で宜しいですか? カードをお預かりします」
悟志のそんなやり取りを見ながら、俺はいつもそんなことを考えてる。
妄想で傷つけてたり、犯したり。
悟志。
俺はお前の思っているような、いい人じゃねえんだよ。
すげえ、腹黒いんだ。
お前に嫌われたくなくて、お前の相談にのったりしているんだ。
なあ、悟志。
俺はお前を――。
愛しているけど、憎んでるんだよ。
「ほれ、悟志」
俺は棚からビデオをとって悟志に渡した。
こんなことを考えながら、俺は日々を過ごしている――。
抜け道はあるのだろうか?
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