第4話

はじめは、ビデオの話から、少しずつしゃべりはじめて。

京平の好きな映画好きなふりして。

一緒に映画に行って。

それで、充分かと思ったのに、やっぱ、ダメで。

知り合って5ヶ月め。

告白した。

京平は目を丸くしたけど、おかしそうに笑った。

「いいよ」って、言って、そのまま、俺の唇に軽くキスした。


「その時点で、もういい人通り越して両想いなわけだし、普通野郎とセックスしようと思わないよ? 愛されてるよ、お前」

せんべいを食べながら信司がつぶやく。

そうなんだろうなあ。

普通、引いて俺としゃべってくれなくなるよなあ。

「だ~か~ら、何が不満なんだよ?」


「キスしてくんないこと。ヤるだけなんだもん、最近」

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