キス

(1)夜

第1話

「――っ、あぁっ」

軽々と、抱かれて、昇らされて、落とされる。

そのまま、まどろみに落ちようと、京平を抱きしめようとした。

それなのに。

京平は俺の腕から離れた。

「なんだよ、泊まってかねえの?」

不服そうに口を開くと、京平は溜息をつく。

…なんだよ、ソレ。

「あのな、悟志。明日は何曜日だ?」

「月曜日」

俺が睨みながら答えると、よく出来ました、と額を人指し指でつつく。

「明日、はええんだよ。こっからだと会社遅刻しちまう。…だから、今日は帰る。あ、シャワー貸してくれな?」

タオルを掴み、ベッドを降りて、京平は浴室に消えた。

俺が返事してないのに、すたすたと行ってしまう。


布団にもぐりこんで、俺はつぶやいた。

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