第4話

主人は顔を俺の顔を覗きこんでいった。

「僕はね? 貧乏なんだ。ロボットって結構高いだろ? だからさ、拾ったほうが安くすむだろ? 直すにしてもね。――それに。僕は君の髪の色が好きなんだ。燃えるような、赤い色…。ねえ、君は前は何て呼ばれていたの?」

間近にある、青い目に吸い込まれそうになる。

見惚れてしまう…。

「え。名前…。ヒューマン型ロボットだから、『ヒュー』って呼ばれてたけど?」

目を逸らして答える。

主人は爆笑した。「まんまじゃん!!いいセンスしてるねえ」

…馬鹿にされた気がした。

「……笑うな。前の家族が付けてくれた名前だ。けっこう大切にされていたんだぞ」

主人はそれを聞いて笑いを止めた。

「でもま、捨てられたんだよな。壊れてもいないのに」

また満面の笑みを浮かべて言い捨てた

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