カフェーの女給はみえる人

カフェー・サカンの女給として働くシノは、あやかしが好きだ。
ある日、西舘の屋敷で「狐の祟り」とされる怪事件が頻発する。
憲兵隊まで動き出す騒ぎのなか、見知らぬ使用人の増加、奇妙な足跡、そしてお嬢様の襟巻が突然燃えるという出来事が重なる。
成り行きから調査に関わることになったシノは、美形で正体不明の男・葛木と出会い、事件の真相を探り始める。
小さな違和感を見逃さず、丁寧に事実を積み重ねていくうちに、シノは“狐ではない何か”の存在に辿り着く。
やがて明かされるのは、あやかしの深い恨み。
そして、葛木の素性。