バレンタイン(1ヶ月遅れ)

@huhho

第1話

「「バレンタインです 麻晴あそばれくん!」」

「毎年チョコ一個(母から)の俺もついにチョコレート二桁に突入か!」

「それだとここにいる二人でチョコを9つ渡す計算になるんだけど。」

「それにお母さんからもらったチョコをカウントに入れるのも卑怯だと思うよ?」

2進数で考えれば二人から貰うだけでも二桁だから…

それよりも、貰えるのか?あの黒くて艶のある、奴を…

「なんであのゴ「ダメ!!言わないでね?名前を言ったらこうだよ?!麻晴も言わないで、言ったらデコピンだよ?」

浅羽あさばねごめんって。だからそれ以上菅原かんばらの肩を揺するな、首がもげそうだから。いや、ほんとに。」

「そうよ麻晴、冗談でもそんなこと言わないで。浅羽に私殺されちゃう。」

それよりチョコは貰えるんですか?もしかして、その手に持ってるパルムの箱だったり…

「そうよ、はいあげる。」

まじでか、それじゃあ遠慮なく……—菅原、

「なによ?」

空箱じゃねぇかよ!!騙しやがって。肝心の中身はどこに行ったんだよ!

「はいは〜い!わーたしが食べました〜♩」

そっかー、浅羽が食べちゃったか〜それじゃあしょうがないな。

「前から思ってたけど、麻晴わたしにだけ厳しくない? あと、これチョコね。」

あのなぁ、浅羽にはある可愛さがおまえに—

うぇ?!

「なによ、そんな驚いた顔しないでよ。」

まさかお前が本当にくれるだなんてまだ心の準備が…—

なにこれ?

「何って、チョコよ?」

「どこからどう見ても正真正銘のチョコだよ麻晴くん!」

どこからどう見てもうんちなんですけど…

なんなら、漫画とかにあるやつじゃなくて、リアルな造形してるんですけど。

周りから見たら。いま僕、手のひらにうんち乗っけてる男なんですけど。

「まぁ!私が心を込めて使ったチョコをうんちだなんて酷いわ麻晴!」

「そうよ、ちゃんとした フフッ チョコなんだから感謝しなよ麻晴くん フフフ」

せめて笑い声を隠しながら言ってよ!

と言うか、どんな心を込めて作ったらこんな形のチョコができるんだよ!!

「そうね、この感情はとても言い表しにくいは、胸が締め付けられるように痛くなって。ついつい手に力を入れてしまうような。

そう、言うならば!!」

なんとこんな見た目のチョコの中にもそんな心があったと言うのか?!


「悪戯心」

なんだよ畜生、さっきまでの説明はなんだったんだよ!完全に恋心抱いてた流れだっただろ!!

「でもよかったじゃない、チョコもらえて、これでチョコrateレート二桁代名乗れるのよ。」

うるせぇ!レートの半分がうんちの男とか嫌すぎるだろ!!

「もう、これだから神原はダメなんだよ。

私が手本を見せてあげる。」

おぉ、これは期待ができる!

「あのね、麻晴くん。私頑張ってこれ作ったの。だから、受け取ってくれる?」

完璧だよ浅羽さん。菅原に見習って欲しいくらいの内容だよ。中身のチョコも…—普通だし、最高のバレンタインだよ。

「ねぇねぇ、食べて食べて!頑張って作ったから早く感想聞きたいな。」

よっしゃ俺も食べたかったから喜んで食べるぜ!

パクッ

「どうどう?味の感想はどんな感じ?」

なんか思ったより甘くないというか、、苦い「ここで麻晴に問題です、いま食べてる浅羽のチョコは隠し味に何が入ってるでしょう!」

苦いし…—コーヒー豆?

「ピンポンピンポ〜ン!!大正解だよ〜

正解はコピ•ルアクだよ!」

はえ〜すっごいなぁ、コピ•ルアクかぁ……


ウンチじゃねぇか!!!!!

なんだよお前らどんだけあんた大好きなんだよ、小学3年生かよ!

「すごいわ麻晴褒めてあげる、あなた今度からウンチ博士を名乗っても良いわよ?」

いらねぇよそんな名誉!第一、誰が欲しがるんだよそんなもん。

「浅羽」

「いいぃぃなぁぁぁああああああ」

浅羽?ウンチだぞウンチ?良いのかお前、それで良いのか?!

「だって持ってたら菅原が褒めてくれるんでしょ?」

「大丈夫よ浅羽、あなたはうんこ博士じゃなくてもいっぱい褒めてあげる。」

「やった〜!!」

「というか麻晴、貴方さっきから私たちのチョコに文句ばっか言ってきて。貰ってる側なのを自覚してるの?」

「そーだ、そーだ!」

いや、それはそうだし浅羽のチョコは美味しい食べるんだけど。

菅原のウンチ型チョコだけはちょっと食べずらいというか…

「なによ麻晴、私のだけ食べれないって言うの。男なんだから、文句言わずに食べなさいよ!」

「そーだ、そーだ!」


「菅原のは食わんばらとか、言わせないんだからね!!」

「そーだ、そぉ…—??」

ほら、おまえが突然、親父ギャグなんて言ったから浅羽が固まっちゃったじゃないか。

まぁとりあえず、菅原のは食べる努力だけはしてやるよ。

「そう、最初からそう言えばよかったのよ。次からは気をつけてよね。」

へいへい


—俺はそう言って話を終わらせた。

もうすぐ来るホワイトデーには彼女達にお返しとしてムスクを使った香水をプレゼントするとしよう。

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