第2話
翌日もまた現れた彼女は少し弱気で、
「…ねぇ、私のこと今も好き?」
まるで確認するように尋ねてきた。
「ちょっと聞いてんの…!?返事くらいしなさいよ!」
それに返事を返さない俺に彼女はだんだん自分を取り戻してきて、終いには激高しだした。
「ちゃんと口で愛してるくらい言いなさいよ!」
挙げ句の果てには女の癖に、拳を作って殴って来る始末。
しかも一度だけじゃなく、二度三度と繰り返されるそれに、次第に彼女の拳には血が滲み出す。
今まで平手はあったけど、拳で殴られるのは初めてだった。
そうは言っても相手は所詮女。
痛くも痒くもない俺に反して彼女は、
「見なさいよ!血が出ちゃったじゃないの!」
と、逆ギレもいいところ。
所々擦り切れた拳を撫でさするように睨んでくると、
「明日も来るからね!」
と、やっぱり悪態をつきつつも明日の約束をして帰って行く。
こんな毎日がすでに1ヶ月経とうとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます