空白の始まり

1

第1話

大学を選んだ基準はなるべく家から遠いところ。


自分の進路を選ぶのにそれは単純な動機で、私にとっては重要な事だった。


大学までの往復電車賃、それに通学時間。


それらを考えると、実家から通うよりも家を出た方が良いと納得させられるだけの状況を作った。


先の計画を立てた上で大学を選んだのだから、私は完全な確信犯だ。


どうしてもこの大学に行きたいと説得するのに、理由はなんでもよかった。


ただ、あの家からも母からも解放されたかった。



───それだけだったから。

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