留守番電話
Kei
留守番電話
ドアノブに鍵を差し込んで異変に気がついた。開いている!空き巣にやられたか?急いでドアを開けようとして…とどまった。侵入者がまだ中にいるかもしれない。ゆっくりドアを開ける。耳を澄まして中の様子を伺う。電気はついていない。物音もしない。そろそろと玄関に入る。変わったところはない。いつも揃えて置いている靴も動いていない。鞄を静かに置き、フローリングに上がる。慎重にリビングまで歩く。
あれは?テーブルの上に何かある。鍵だ。革のキーホルダーがついている。あれは…この部屋のスペアキーだ。あいつに渡していたものだ。死んだあいつに…
キッチンに行きコップに水を注いで一気に飲み干す。空き巣も侵入者も頭から飛んだ。死人が鍵を返しに来た?そんなバカな話はない。ならあいつの親だろう。そうに違いない。嫌がらせで…。いや、それはおかしい。親はとっくにいなかったはずだ。天涯孤独だから都合がよかったんじゃないか…
?
電話機のランプが点滅している。留守電にメッセージが?
再生ボタンを押す。
『… もしもし… 』
『わたし』
『知ってたの。あなたが… 私に…』
間違いない… あいつの声だ! 聞き間違いじゃない…
そんなことがあるものか!誰かの悪戯だ。そうに違いない。しかし、そうだとしても、いや、それなら誰が… 誰が、あの事を知った?
ルルルルルルル——
電話が鳴った。
震える手で受話器を取り上げ、耳に当てる。
「…誰だ…?」
『… もしもし… 』
『わたし』
『知ってたの。あなたが… 私に…』
「やめろ!」
叩きつけるように電話を切る。
ルルルルルルル——
「今更何だ! 仕方がなかったんだよ!」
「… …悪かった…」
電話は切れた。
『やっぱり』
後ろであいつの声がした。
留守番電話 Kei @Keitlyn
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