ピンポイントに怖さ、不気味さというものを巧みに刺激してくれる、非常に完成度の高いホラー作品でした。
ある黄昏刻。放課後の教室に集まった一人の少女と二人の男子生徒。
そこで少女は「あるもの」を持ってきたと二人に話すが。
その先の展開は、ひたすら読者の想像力を刺激するものとなっていました。
果たして、「少女の持っていたもの」には何が入っていたのか。
本作を呼んで、H・P・ラヴクラフトのクトゥルー神話に描かれていた不気味さを連想しました。
「名状しがたき何か」、「この世のものではない異形の何か」。
人間の想像を超えた「ひたすら邪悪なもの」があり、姿も形も正体もわからない。でも、たしかにそこにあり、ただひたすら危険だということだけがわかる。
そういう純度100%の「畏怖の対象」をピンポイントに描き切った作品でした。
果たして、彼らの迎える未来は……