第3話 親友との出会い
「吾妻の天気、おかしくね?こんなとこで大雪!?超ありえねー! #大雪」
「吾妻の白猿、激オコwww!!#吾妻 #異常気象 #白猿伝説」
「↑それな、『白猿と雪の魔物の伝承』、ばぁちゃん言ってた!!! #白猿伝説」
「その言い伝えなら、『麓の神社』に行けば分かるかも」
エッ…!!
そう思い立ち、その神社を訪れた。そこは雪国を守護する神々を
彼女の名は
「深雪さん、実は風力とソーラーの調査が始まってから妙なことが起きてるの。白猿たちが落ち着かなくて……。近所の人の話では、夜な夜な神社の近くを徘徊しているらしいの。しかも、これまでに聞いたこともないような声で吠えたり、唸っていることもあるとか…。白猿を見た人は、どことなく怯えた表情にも見えた…って言ったわ。まるで何かを訴えてるみたい…という声もあるし。」
「吾妻の白猿」は普段、露天風呂でくつろぎ、時には神社のお神酒を失敬する愛らしい一面を持つ幻の存在だが、その正体は「雪国の守護神」だと彩花は明かす。
夜が遅くなり、彩花は深雪を神社に泊めることにした。歳の近い友がいなかった彩花にとって、深雪との出会いは新鮮だった。二人は互いの学生時代の思い出を、時間を忘れて語り合った。学び舎は違えど、年頃の若者がやることには、そう大きな違いはない。互いの青春時代を振り返る時間は、安らぎの一時と言ってもいいだろう。
彩花は実家の神社を継ぐため、大学では神道学を専攻していた。日本古来の伝統文化について学ぶ内に、その奥深さに魅せられていったと言う。また、学業に加えて、弓道部で汗を流し、全国大会にも出場していたという。弓道部の先輩に恋心を寄せたものの、互いに実家の神社を継がねばならず…成就することはなかった、と言う。
深雪は当初、理学部の数学科に進学しようと思っていた。しかし、物理学や情報処理の面白さに目覚め、数理工学の道に進んだ。大学時代は実験や演習が忙しく、課外活動もサークルを選んだと言う。その当時から、テレビで流れる
その夜、二人が眠りにつくと、夢の中で白猿の姿をした守護神が現れ、語りかける。
「
目覚めた二人は同じ夢を見たことを確認。彩花は続ける。「この国では古来から、人と自然は
深雪は気象予報士としての好奇心を、彩花は神職としての使命感を募らせる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます