あの時の会話

『…俺、お前が好きだから、お前には幸せになって欲しいから、言うけど…』


あの時、晴貴はそう言った。



『俺が言う事じゃねぇけど…――あいつ、お前に惚れてるよ』


『俺、途中からそれ分かってた。だけど俺もお前の事好きだし、言いたくなかった』


『お前が泣いた日、俺言ったろ?なんとかする、って。その次の日行ったんだよ、篠原のとこ。お前も見ただろ?俺が篠原の胸倉掴んでんの』


『まぁ、俺、あいつの気持ち知ってっから、挑発したんだよな。"俺が藍をもらうから"ってな』


『案の定、あいつ挑発にかかって、次の日から俺を睨みまくってくんじゃん?』


『んで、藍が言ってた事だけど……まぁ、あれは芹を見てたんじゃなくて、俺を睨んでたんだよな』


『それから放課後の事も、…これは俺の憶測だけど、多分照れてたんだよ、あいつ。なんか照れ屋じゃん?あいつ』


『俺らの学校カップル多いし。手ぇ繋いで帰ってんのとか見て悔しかったんだと思うぞ。何も行動できない自分の女々しさに腹が立ってたんだよ。放課後の辛そうな顔の原因は多分これ』


『あいつ、人一倍照れ屋で女々しくて、









だけど、人一倍お前が好きなんだよな』





~END~

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