第34話
「う〜ん、知り合いじゃないと思うけど…思い出せないな」
「そうですか……」
見られたのが奥沢さんで良かったと思う反面、あんな外から丸見えの所でお茶してたら誰に見られても仕方ないとも思った。
「ちなみに、恋人じゃないんだよね?」
先日、彼氏云々の話をしたばかりだからそう言ってるのだろうと思った。
「はい、恋人なんておこがましいくらいですよ」
「そうかな、スゴくお似合いだなって思ったけど」
「…ありがとう、ございます………」
「もしかして、ゆっくり少しずつって……、あー、これ以上はセクハラだよね。ごめんねって、すでに俺してた?」
「フフ、そんな慌てなくても大丈夫ですよ!」
こんなご時世だから奥沢さんも社内での会話は気を遣うのだろう。
言われる人によっては嫌な気分になるのかもしれない。でも、奥沢さんや仲川さんとは上司と部下だけじゃない関係性を築けてると思ってるし、セクハラだとは全然思わない。
「う〜ん、あと少し頑張るか」
「私も頑張ります」
そう言って残りのコーヒーを飲み切ると立ち上がって二人共自席へと戻った。
《「スゴくお似合いだなって思ったけど」》
お世辞かもしれないけど、奥沢さんの言葉が嬉しくて何度も頭の中でリピートさせていた。
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