怪獣物にしてガールミーツガール。おいしところを全部のせ!

 もうね、作者の怪獣作品に対する愛が溢れてます。
 敢えて空想科学と銘打っているのもそれゆえ。
 この作品は、数多の怪獣作品、それも特撮からアニメまで様々なそれにインスパイアされ、真摯にオマージュを取り入れ、その上で作品としての独特の空気をしっかりと描き出しています。
 そういった懐かしさもあり新しさもある本作、カクヨムの怪獣作品の中でもそのあたりの素晴らしさは頭一つ抜けているのではないでしょうか?

 ガールミーツガールも丁寧に展開され、一本道でただ出会ってデレてといった陳腐さもなく、それ以外の様々なキャラクターとのヒューマンドラマの中で時に進み、時に戻り展開していきます。

 ジャンルへの拘りが根底にしっかり一本の軸を作っているので安心して読めますし、さりとてお約束のような話の展開ではなくしばしば読み手を驚かせます。
 つい手に取り、気づけばページをめくってしまう、そんな惹きつける魅力のある作品です。

 ぜひ読んでみてください。きっと虜ににりますよ?

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