世界は嘘であふれてる―番外編―

た ね あ か し―川辺真也―

第1話

初めは、軽い気持ちだった。







俺のクラスには、小崎秋という女子生徒がいる。


いつもクラスのやや中央寄りにある自分の席でじっと座っている、根暗な女子だ。



初めの頃こそ、クラスメイトの女子とつるんではいたが、なにがあったのか、いつのまにか彼女は弾かれものになっていた。






動機付けをするなら、「暇だったから」。




別に俺は彼女が好きでも嫌いでもなかった。



だって、俺がなにかされた訳じゃないし。



ただ、休み時間、授業中、昼食中、やたら目につく。




いつも教室のやや中心にぽつり置き去りにされたように佇む彼女は、どこか異質だった。

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