第7話
信じられなくて。
信じたくなくて。
何度泣いても、涙は枯れなくて。
苦しくて。
胸が痛くて。
ふとした風景に、幾度も彼女の面影を重ねていた。
似ている声が聞こえては、振り向いて。
似ている後姿を見つけては、違うと気づいて。
その度に、彼女に会えない現実を思い知った。
何度会いたいと願っても会えなくて。
何度声が聞きたいと願っても、聞けなかった。
せめて夢の中で会いたいと願っても、それさえも叶わない。
願う度に、何一つ叶わないのだと思い知る。
それが、大切な人が死ぬということなのだと、初めて知った。
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