第4話
それでも、中学校から親友のミサトとマナの間には、元々入り込めない雰囲気があって、仲良くしていながらも、私自身はどことなく二人に遠慮があった。
それなのに。
ある時、マナは私をあっさり『親友』だと言い切った。
ミサトも、私も、同じように大切な親友なのだと言った。
マナがそう言ってくれた時。
私は、自分の周りを覆っていた最後の壁の一枚が崩れていく音を聞いた気がした。
思春期独特の頑な心が、ゆるゆると溶けだしていくようだった。
それからずっと。
私たちは親友でいる。
お互いの恋愛事情も。
他の人には言えないような悩みも。
くだらない馬鹿話も。
何でも話し合える間柄だった。
―――――たった一つのことを、除いては。
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