7月7日、伝えたい言葉

第1話

ああ、そうか。


目的の場所へ向かう途中、街中を行き交う人の群れを見ながら、あることに気づいた。


今日が何の日かということに。



いや、初めから日付は分かっている。


でも、それは今気づいた事実とはまるで意味合いが違っていた。



やたらと浴衣を着た男女とすれ違う日だと思っていたけれど、それは当然。




7月7日。



今日は、七夕。


毎年この近くで、お祭りがあるはずだ。



手を繋いだ親子連れ。

浴衣を着たカップル。

制服を着た高校生の集団。


そんな人たちが笑顔で言葉を交わしながら、一様に同じ場所を目指して歩いていた。



そのまましばらく人並みに沿って歩くと、人一倍賑やかな通りに差し掛かる。

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