第66話

「それよりお土産!持ってきますからちょっと待っててください」

「はい!待ちます!」



思わず頬が緩む。


フランスって言ったらやっぱりスイーツかな?

知らないけど。


まず私世界地図出されてもフランスの場所も分からないレベルだけど。



「家族みんなで分けてください」



と手渡されたのはやっぱりスイーツ。

クッキーだ。



「おお……!これがおフランスの……!」

「あとですね、実は」

「え?」



まだ何かあるのか!

と顔を上げたら、キラキラしたものの奥に斉藤さんの笑顔。


ぼんやりしていると、キラキラしたものが私の手のひらに置かれた。



「え……?」



手のひらに置かれたキラキラは、キーホルダーだった。


輪にエッフェル塔と、ピンク水色紫の三つのマカロンが連なったものがついている。

細かいつくりで、なんか小さな石もついてる。キラキラの原因はこの石か。



「ここここれ、お、おいくらですか」

「値段は言わないのが大人のたしなみです」



人差し指を突き立て、「盆栽のお礼で、前原さんにと思って選んできました」と優しい笑顔で言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る