第50話

ト、ミー。富井、とみい、トミイ、トミー……。



「……変わらない」



富井くんは真顔で呟いた。

私とちっちが言いたかったことを代弁して。



「馬鹿、イントネーションが全然違うだろうが!トミーだ!なんならアルファベットでTOMYでも良いぞ」

「いやトミーで良いです」



ホーリー、富井くんのファンの女の子たちに絞められないだろうか。



ちっち、ホーリー、トミー、まえほっぴー……。


ホーリーがつけたあだ名で唯一の生き残りのちっちが

「私まじで変なあだ名じゃなくて良かった……」

と呟いたら

「あ、お前も中村のなかほっぴーと迷ったんだけどさあ」

と驚愕の事実が判明した。


私は〝ほっぴー〟の犠牲者だった。



「ねえほっぴーってなんなの?私少しもほっぴー要素ないし、むしろあんたが一番ほっぴーでしょ堀井なんだから」

「いや俺はキュートなホーリーだから」

「キュー……、いや、もう良いやなんか疲れる」

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