第32話

帰り道も気が重くて歩く速度ががつんと遅くなる。

ため息が止まらない。


デートと考えるからいけないのかな。

でも私友達とも休日に映画行くことなんてあんまり無いけどな。



うだうだ考えながら、気晴らしのようにコンビニに立ち寄った。



この間斉藤さんから教えてもらった名前の雑誌を探す。確かヒーロークラブって名前……あ、あったあった。


アルファベットで【HERO CLUB】と書いてある。

表紙は勿論というかなんというか、斉藤さんでは、ない。


ページをめくって斉藤さんを探していたら十ページ目で発見。


斉藤、修一。へえ、下の名前修一って言うのか。知らなかったな。



まあ家でゆっくり読もう。


女性向けファッション雑誌さえ買わない私は、なんとなく男物の雑誌を買うのは照れたけれど、さっと会計を済ませて足早に家へ向かった。

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