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第38話

「最近どーよ、好きな子とは。順調?」




昼休み、篠原が話しかけてきた。




「順調、なのかな。よくわかんない」




「なんだそれ」




「嫌われてはない、と思う」




ハグだって拒否されなかったし。そうだと信じたい。




「好きって言っちゃえば?」




「…もう言った」




「え、ナツ振られてんじゃん!」




篠原は嬉しそうにしている。なんかムカつくな。




「振られてもねーよ」




そうぶっきらぼうに返すと、意味がわからないという顔をされた。




「でも珍しいね、ナツがこんなに心酔してるの」




「…」




「どんな子?」




「…お前の嫌いなタイプの子」




「…お前なあ、いいかげんにしろよ。俺がその子のこと奪うとでも思ってんのか!



奪いに行ったところで見向きもされねーよ、自分で言ってて悲しくなるわ!」




「そんなことねえよ」




篠原はいいやつだからな。




「…え、もしかして、ナツの好きな子って俺?」




アホかこいつは。




「アホ」

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