第10話

ヨリアキ「ヨリコさんの過去がどうでも その彼ともしかしたら将来結婚するとかできるんとちゃう?」

ヨリコ「、、、」

ヨリコはそれ以上返事をしなかったのでヨリアキは話題を変えて

「あ?そうそうヨリコさんところで来週日曜日夜 長岡天神さんのお祭りがあるんやけどいっしょに行けへん?」

ヨリコ「はいわかりましたヨリアキさん ぜひ御一緒させてください」

こうして二人はそれぞれの部屋に帰宅した


長岡京の夏もお盆が過ぎそして祭りの日が来た ヨリアキは朝の夜勤帰りの眠たさより夜の祭りのことで頭がいっぱいになっていた それでもふと我に返り

「俺ってなんやろう?今夜向かいの子を祭りに誘うけど これでいいのかな? たしかに行方不明の彼女のことは心配だけど

彼女の岡山のお母さんが”ミカコはしっかりしているので連絡はないけどきっと日本に帰ってきますから心配しないでください”といってたしな

 彼女が無事に帰ってくるなら良しとしよう」とつぶやきながら自分を納得させていた

日が暮れたので ヨリアキはジーンズと白シャツの普段着で向かい側のヨリコの部屋の前に立ちノックした 

すると扉が開いて赤いバラと黒い柄の浴衣を着たヨリコが現れた

ヨリコ「おまたせヨリアキさん」

ヨリアキ「すご~~ぃ浴衣なんだ いいなぁ」

ヨリコ「えへっこれ私のお母さんが田舎にいたときに作ってくれた物なの」

ヨリアキ「そうなんか じゃぁ君のお母さんは今でも君のことを心配してくれてるんじゃないの?」

ヨリコ「それはない ただ黒い服が好きなの私」

ヨリコはそういってヨリアキの腕をとり「さぁ行きましょう」と笑顔で答えた

ヨリアキとヨリコは街中を抜け長岡天神駅から登って突き当りの天満宮の入り口に到着し 

神社前のため池にかかる花木の通り道をぬけて社についたそして踊りや屋台を見て回りひと夏の夜を楽しんでいた 

屋台で水風船を二人で買って遊んでいたとき ふとヨリコは「このままこの先の真っ暗な森の中に消えていきたい」と

つぶやいたのでヨリアキは心配になりその横顔に寂しさが見えたので「ヨリコさん帰り道を街中より小畑川沿いに帰らへんか?そっちのほうが涼しいはずやし」

と誘ったすると

ヨリコは「はい」とうなずき返事をした

二人は薄暗い川沿いの道を歩いていた ヨリアキはさりげなく「ヨリコさん彼とは将来結婚はせずたんなる近くにいる”男”

としてつきあっているだけなんか?」と聞いた

ヨリコ「私なんか結婚する資格ない彼は優秀な学生自自治会幹部でリーダーであるし 彼の実家も裕福で有名な家督のある家 私には無理」

ヨリアキ「そんなん関係ないやん!ヨリコさんお互い好きやったら家系が裕福であろうとなかろうと男女がお互い気に入ったら結婚できるって 

たしか憲法18条にも「男女の合意のみ婚姻できる」とか書いてあるんじゃなかった?」

ヨリコ「ヨリアキさん詳しいのね でもね私もう堕胎を繰り返したので子供ができない体なの 

それを承知で彼は”お前はもう誰とも結婚できない 俺がだれと結婚しても一生お前を面倒を見るお前をそばに置くために引き取る”といってるの」

ヨリアキ「え?無茶したんだヨリコさん、、 え?でも そんなん ヨリコさんかわいそうだそんなの

 過去に過ちを犯したから 子供ができなくなったから といって一人の男が一人の女性の夢を取り囲み自分のものにするなんて 

そんなん誰にも奪うことなんかできないのとちゃうの?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る