第2話

とにかく好きで好きで仕方ない。



数学の授業中にも関わらず先生の話を一切聞かないで、そんな彼の後姿を見ながらあたしの脳内は授業を抜け出した。



入学式の日に一目見て、彼の織り成す雰囲気が好きだと思った。



顔云々よりまず雰囲気だった。



こんな事話しても誰も分かってくれないけど、取り敢えず雰囲気が気に入った。



それでも顔も特別悪い訳じゃない。



良く言えば『上の下』で悪く言えば『中の上』くらい。



あまり違いは自分でも分かんないけど、あとは好みの問題。



そんな感じだからあたしは別に彼の顔に惚れたんじゃない。



そりゃ今は顔を見ただけでも胸がドキドキする位、好きなのだけれども。

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