28歳女性E.Iさん「年相応の服が分からない」

【お悩み】

初めまして。


突然のDM失礼します。


カクヨムで見かけて気になったので送ってみました。


私の悩みは、服です。


年相応の服、年齢に似合ったファッションが分かりません。


別にどのブランドの服がいいとか、そういうことを聞きたいのではなく、果たして年相応の服とは何なのかが分かりません。


私は、いわゆるゴスロリファッションが好きです。


もしやまひろ様がご存知でなければ調べていただければと思うのですが、画像を見ればこんな感じかと言うのが分かると思います。


きっかけはちょっと恥ずかしくて言えないのですが、高校生くらいから憧れるようになり、大学生になってからは必死にバイトをしては、好きなブランドのゴスロリファッションを買っていました。


無事に社会人になってからは金銭面での余裕が出てきたので、大学生の頃よりももっと買うようになりました。


一人暮らしなのですが、クローゼットは仕事の服2.5割、普段着2.5割、ゴスロリ5話くらいです笑


しかし、私の両親やゴスロリファッションに興味がない友人などからは、暗に「年相応の服を着たらどうだ」と言うふうに言われます。


私としては、ゴスロリは寧ろここから似合う年齢になると思っています。


だからと言って、雑誌を見ても年相応の服は、どうしても没個性的で着る気が起きません。


とは言え私も、なんとか社会に順応するために、いくつか普段着として持ってはいますが。


年相応の服って何なんでしょうか。


男性の視点からも、教えていただけますと幸いです。




【お答え】

ゴスロリがお好きなんですね!


とても良い趣味だと思います。


ちなみに私はゴスロリではなく、甘ロリ派です。


甘ロリはロリータファッションの中でも特に「可愛さ」を極限まで追求したサブジャンルです。


あのお菓子箱のような、パステルカラーとかフリルとかレースとかリボンを、これでもかってくらいに詰め込んビジュアル。


白や、ピンク、ミントなどのふわっとした色合い。


視覚的な統一感とディテールの緻密さ。


スカートのボリュームを出すペチコートや、膝下ソックス、リボンタイなどの小物も含めて、コーディネート全体で一つの「世界観」が表現されている点も、私が甘ロリを愛してやまない理由です。


私が甘ロリを好きになった理由は、私の愛する人が実は甘ロリが好きだったからです。


彼女もE.Iさんと同様に、大学時代からこっそり買っていたようで、初めて彼女の甘ロリ姿を見た時には、私の中で何か大きく動いたのを感じ、心の底から叫びそうになってしまいました。


よくSNSでも「尊い」という言葉で感情を表現する方がいますが、まさにそれに近い衝撃を受けました。



先ほども述べた通り、ディテールへの拘りが半端ではないのも、甘ロリの推しポイントです。


描かれたスイーツやクマやうさぎが完璧な配置で並んでおり、動くたびに揺れるフリルとのシンクロ率すらも計算し尽くされています。


今でも手に取り選ぶ度に、その芸術性に感服してしまいます。


アクセサリーもヘッドドレスやチョーカーをトータルコーデで揃えたら、もう「尊い」と悶絶するしかありません。



また、これは私の持論ではありますすが、甘ロリは、着る人の内面まで変える力があると思います。


例えば、普段地味目な女の子でも、そのふわふわで暖かいドレスに袖を通して、ツインテールやおだんごヘアにして鏡を見たら、「私ってこんなに可愛いんだ」と自己肯定感が爆上がりする瞬間があるはずです。


逆に、普段は少しツンツンしている女の子でも、クマやウサギの柄に囲まれて、フリルを靡かせたら、「私にもこんな一面があるんだ」と優しい気持ちになれるはずです。


現にそれを長く見届けてきた身としては、甘ロリは最早、魔法です。


着る人にとっても、それを見る人にとっても、現実のストレスや不安、嫌な事や緊張を全て忘れて、純粋に「可愛い」という気持ちにさせてくれます。


それが甘ロリの沼の深さであると、私は考えています。



申し訳ありません。


あまりにも熱が入ってしまい、E.Iさんのお悩みから若干脱線してしまいました。


E.Iさんの悩みをじっくり読ませていただきました。


ゴスロリファッションへの愛情と、それを軸にした自己表現がとても伝わってきます。


一方で、「年相応の服」という周囲からの声や、社会に順応するプレッシャーに葛藤している気持ちもよくわかります。



まず、「年相応の服」という概念は、実はすごく曖昧で主観的なものです。


社会や文化、個人の価値観によって定義が変わるので、「これが正解」という明確な答えはありません。


例えば一昔前までは、かなりビビッドな色合いの服を着た若い女性が、メインストリームだったかと思います。


それが今や男性女性を問わず、かなりシックな色合いの服装がメインストリームになっています。


両親や友人が言う「年相応」は、おそらく「社会的に無難で、年齢的に落ち着いた印象を与える服」をイメージしているのでしょう。


例えば、シンプルなカットソーやジャケット、ベーシックな色合いのものなど、大人っぽさや安定感を連想させるスタイルでしょうか。


でも、E.Iさんが雑誌を見て「没個性的」と感じるように、そういう服では個性や情熱を表現しにくい場合もあります。



一方で、E.Iさんにとってゴスロリはただの服ではなくて、アイデンティティや喜びの源なのではないでしょうか。


高校生から憧れ、大学生でバイトして手に入れ、社会人になってさらに深く楽しむようになったその過程は、E.Iさんの人生の一部であり、自己実現の形です。


クローゼットの半分以上をゴスロリが占めている、というのも、あなたがどれだけロリータファッションの世界に愛着を持っているかの証拠です。



そして、「これから似合う年齢になる」という考えはすごく素敵で、前向きで、何より全力で同意したいです。


甘ロリも、ゴスロリも、と言うよりかはロリータファッション全般は、実は年齢を重ねた人だからこそ出せる雰囲気や貫禄があるスタイルでもあります。



男性視点で言うと、服はその人の「らしさ」がにじみ出るものだと思います。


もしE.Iさんがゴスロリを着てイキイキとしているのであれば、それが一番魅力的です。


それが1番似合う服なのです。


年齢や性別やスタイル、ましてやブランドなんかは関係ありません。


似合うものではなく、着たいものを着ることが、人生にとっては重要なファッションです。



但し、社会人として現実的な一面も考えると、仕事や場面によってはゴスロリが浮いてしまうこともあるかもしれません。


そういう時の為に、すでに「普段着2.5割」をお持ちということは、すでにE.Iさんなりのバランス感覚が働いてる証拠です。


そこに無理やり「年相応」を押し込む必要はないのではないでしょうか。


寧ろ、ゴスロリを愛する気持ちを大切にしつつ、普段着で少しだけ「社会的な自分」を演じるくらいの軽い気持ちの方が、普段着を着ている時も楽しくなれると思います。



結局のところ、「年相応の服」とは他人から押し付けられるものではなく、E.Iさんが「これでいい」「これがいい」と思える服なのではないでしょうか。


ご両親やご友人の意見は、決してE.Iさんの全てを否定するような意見ではなく、愛情や心配から来ているものです。


ですが、最終的にE.Iさんが幸せで心地よいと感じる選択が一番大事です。


ゴスロリを着て笑顔でいられるなら、それこそがE.Iさんの「年相応」です。


年齢を重ねるごとに、自分らしいスタイルを貫く強さは薄れていきます。


だからこそ、E.Iさんは実はとても強く、芯のある、魅力的な人です。


魅力的な上にゴスロリを着ているだなんて、私からしたら5億点です。



最後に、ゴスロリも、甘ロリも、ロリータファッションは只のファッションではなく「生き様」です。


可愛いや格好いいを貫く覚悟と、自分だけの物語を紡ぐ勇気を持った人のための最強装備です。


特にロリータファッションは、着用することで、現実から少し離れた「お姫様」や「少女」のような役割を演じられるため、日常の枠組みから解放される感覚を得られますよね。


こんな唯一無二のファッションの魅力に気が付かれている時点で、E.Iさんは凡百の女性の何歩も先を行っています。


周りに流されて捨てるなんてこと、絶対にしてほしくないです。


私も長い事、愛する人たちの服を捨てられずいますが、それも素敵な思い出であり、ご自身の成長の記録にもなります。


ぜひ年齢に関わらず、素敵な魔法の世界を楽しんでいてほしいものです。


ありがとうございました。

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