24歳女性K.Bさん「感謝の見返りを求めてしまう」

【お悩み】

初めまして。


私は関西在住の24歳の女です。


仕事はメーカーの営業職です。


私の悩みは、すぐに人に感謝の見返りを求めてしまうことです。


例えば仕事で、先輩から資料を作るよう言われた時に、もちろん自分の仕事なのでやらなければならないのですが、作り終わった後に「ありがとう」など感謝の言葉がない時に酷く腹が立ちます。


また大学時代からの彼氏と最近同棲を始めたのですが、例えば彼がいない時に部屋を掃除しても、感謝はおろかそれに気が付かないことがあると、怒りを超えて落ち込んでしまいます。


私は、どんなに小さなことでも「ありがとう」と心からの感謝を伝えるように心がけています。


人に何かをする際も、別に感謝されたいからするわけではないのですが、それでもやはり何かをしてあげた時は「ありがとう」と言われたいです。


でも、感謝をされないと何かとても損をした気持ちになります。


何よりそんな自分の性格の悪さが嫌です。


仕事にもプライベートにも、感謝の見返りを求めてしまう癖が染み付いている気がしています。


どうしたらいいでしょうか?




【お答え】

K.Bさんの気持ち、痛いほど分かります。


何か見返りを求めているわけではないのに、それでも感謝されて然るようなことに対して感謝をされなかった時、私も怒りにも似た悲しみが心を覆うことがあります。



実は最近、身近な人たちにプレゼントをする機会がありました。


プレゼントとはいっても、ちょっとしたケーキなのですが、それでも日頃の感謝の意を込めてサプライズで贈りました。


ですが、特に感謝の言葉もなく、咄嗟に怒りの感情が表に出てしまいました。


今を思えば、感謝の言葉がないからといって、怒っている時点で、私は自分の愛する人たちへの感謝を伝えたかったようで、感謝の見返りを求めていたのかもしれません。


私は「ありがとう」の言葉が欲しかったのだと、自身の浅はかさについて、猛省に次ぐ猛省を重ねました。


こっそり自分用にも買ってきたケーキは、気がついたら冷蔵庫で消費期限切れになっていました。



K.Bさんは"何かをしてあげたときには「ありがとう」と言われたい"と書かれていますが、それは多くの人が同じだと思います。


別に見返りを求めているわけではないにせよ、人と人とのコミュニケーションの中で感謝の言葉は、関係性を成り立たせる上でもかなり重要な要素の一つです。


とりわけK.Bさんが感謝の言葉について思い詰めてしまうのは、H.Kさんが人一倍「ありがとう」と言われて嬉しいと思える、優しい人なのかもしれません。



加えて、K.Bさんが「ありがとう」という言葉を嬉しいと感じるのは、あなたが人の役に立つことや、相手に喜んでもらうことに価値を見出してるからではないでしょうか。


例えば、友達にアドバイスをしたり、誰かに時間を使ったりしたとき、仕事の資料を作って上司の手間を省いてあげたり。


如何なる行動でも、その相手が笑顔になったり感謝してくれたら、「私の行動って意味があったんだ」って実感できます。


これはとても、純粋で素敵な気持ちです。



でも、感謝を「求めてしまう」となると、少し心の中で「私の頑張りを認めてほしい」「見ていてほしい」という気持ちが働いてるのかもしれません。


人は「承認欲求」を大なり小なり全員有しています。


それが強くなると、相手からの反応がないと「何か足りない」と感じてしまいます。


特に、K.Bさんのように、優しくて相手を想うことができる素敵な人だと、無意識に「私、こんなにやったのに」「なんで感謝をしてくれないの」と期待が膨らんでしまい、”損した気持ち”になってしまうのかもしれません。



ではその"損した気持ち"との向き合い方についても考えてみましょう。


「ありがとう」と言われないと損した気分になるのは、まるで自分の努力が報われなかったような感覚になるからです。


ここで大事なのは、K.Bさん行動の「価値」は、相手が感謝するかしないかで決まるものではないと、気が付くことです。


例えば、自分の行動を自分で評価してみてはいかがでしょうか。


何かをした後、もし相手からの「ありがとう」がなくても、「私はこれをやって、誰かのために動けた、自分って偉いな」と自分自身に声をかけてみてください。


だんだんと「相手の反応に頼らなくても大丈夫」と思えるようになります。



また、ポジティブな意味合いで、人への期待を少し減らすことも重要です。


私もプレゼントをした時に「きっと喜んでくれるだろう」、もしかしたら「きっと感謝してくれるだろう」と内心思っていたのかもしれません。


人に何かするとき、「感謝されたらラッキーくらいに思っておこう」って軽い気持ちで行動してみてはいかがでしょうか。


例えば、部屋を掃除する時も「彼氏がいない間に掃除したら、感謝されるかな?」ではなく、「まあ、私がやりたいからやるか」くらいのノリで掃除をしてみるのです。


そうすると、もし彼氏さんから感謝をされなくても「まあ、別にいいか」と流せるかもしれません。


そして相手に対しても、「感謝しないなんて、感じ悪いな」と思う時ももちろんあるでしょう。


そんな時は「まあ、人それぞれだよね。私がやりたいからやっただけだし」という風に、気持ちを切り替えてみるのです。




大事なのは、自分自身を過剰に責めないことです。


これは私も自分のことを棚に上げた回答になるのですが、「感謝を求めてしまう私はダメだ」って思うのではなく「そうか、私って人に喜んでほしいんだな。それも悪くないよね」と受け入れてあげてください。


そうしたら、少しずつ「ありがとう」がなくても平気な自分が育ってくるはずです。



K.Bさんは既に人の為に行動ができる素敵な人間です。


私より10歳近く年下なのに、できた人間です。


ぜひ今の自分を、誇りに思ってください。



そういえば、買ったケーキは1つだけ廃棄することにはなりましたが、反省後、またプレゼント用に買いに行こうと思っていました。


思っていたのですが、SNSでたまたまそのお店の情報を見たら、なんと閉店されたとのこと。


駅前の再開発のため、立ち退かざるを得ない、とのことでした。


小さな小さな、まさに「町の洋菓子屋」といった佇まいのお店なのですが、幼少期から、お誕生日会や急な来客があった際など、家族ぐるみで贔屓にさせていただいてたお店なので、本当に悲しい限りでした。


ですが、半年以内には線路を挟んで反対側の繁華街に、新店舗を建てられるように動いているとのことで一安心。


SNSの投稿には店頭の張り紙も添えてあったのですが、立ち退くことに対しては「力及ばずで申し訳ありません」とあったものの、それ以外の文章は、これまでのお客様と、そしてこれまでの歴史を支えてくれた従業員さんへの「ありがとう」の言葉で埋め尽くされていました。



K.Bさんも、小さいことでも「ありがとう」と心からの感謝を伝えることを心がけている、と書かれていました。


やはり素敵な人の口からは、自然と「ありがとう」の言葉が溢れているものなのかもしれません。



そしてなんと、クラウドファンディングも実施中とのことで、大切なケーキを1つ廃棄してしまった反省の意を込めて、支援させていただきました。


新店舗でも、引き続きご贔屓にさせていただきます。


ありがとうございました。

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