【ご機嫌斜めな想い人】

サティーの想い人、蒼い肌の男は墓場にいた。

魔族や幽鬼を従えて、火葬場や墓場で遊びまくっている。



「ったくムカつくぜ!」



ドカッと物に八つ当たりする男。



「ご機嫌斜めっすね、シヴァさん。」



「悪いか!あの野郎のあのツラ!思い出すだけで胸クソ悪い!」



胸クソ悪い顔を4つも持つその男。

犬猿の仲と言ってもいい相手である。



「またブラフマーっすか……?」



言った瞬間、ギロリと睨まれ殴られた。



「その名を出すな!耳が腐る!」



蒼い肌の男──シヴァ。


この男、不良である。

しかも神々との喧嘩が絶えない。



実際のライバルはヴィシュヌだが、ブラフマーとは敵同然の争いをしていた。


そのブラフマーの息子はダクシャであり、ダクシャの娘はサティーである。



娘の想い人を知る父親が、不良のシヴァを気に入る訳がなかった。


しかも父親ブラフマーと敵対している男でもある。

気に入らないどころか毛嫌いしていると言っても良い。



その態度は、まず『婿選びの儀式』で現れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る