莠御ココ逶ョ縺ョ迥?迚イ閠

 夜中、静まり返った部屋に薄暗いモニターの光が揺れていた。


 俺はタイピングを止め、画面に浮かぶ文字列を見つめる。


「縺ソ縺、縺代◆」


 それは、確かに彼が書いたはずの原稿だった。だが、保存したファイルを開くたびに、意味不明の文字が散乱している。何度も復元を試みたが、文章はますます崩れ、無数の奇怪な記号に変わっていった。


 ――それだけなら、まだよかった。


 奇妙なのは、文字化けの中に時折現れる、はっきりと読める言葉だ。


「縺壹▲縺ィ縺ゅ↑縺溘r」


 俺は背筋を這う悪寒を振り払うように、ファイルを閉じる。けれど、閉じたはずの画面に、再び文字が浮かび上がる。


「蠖シ螂ウ縺ョ縺ョ莠コ逕」


 キーボードも、マウスも触れていない。それでも、画面は勝手にスクロールし続けていた。


「邨らч縺ョ譎ゅ□」


 俺は恐怖に駆られ、モニターの電源を切ろうとした。しかし、いくらキーを叩いてみても反応がない。まるで画面から伸びる手が、彼の操作を妨害しているかのようだ。


「縺薙l縺ッ蜻ェ縺」


 画面には、気味の悪い文字が延々と連なっていく。俺は反射的に、ノートパソコンを閉じた。


「な……なんだったんだ、あれは。……気味が悪い」


 俺の脳裏には、あの文字化けが焼き付いていた。


 "次は貴方"


 それはまるで、自分に向けられたメッセージのようにも思えた。


「はっ、まさかな……」


 俺は自嘲気味に笑い、眠りについた。


 ――翌日。


 俺は自宅の書斎で、執筆に勤しんでいた。

 だが、今日はどうも調子が悪いようだ。いくら筆を走らせても、一向に物語が浮かんでこない。


「くそっ……どうして書けないんだ……」


 俺は苛立ちを隠せず、頭を掻きむしった。何かに邪魔されているような気分だ。


「……ん?」


 その時、机の上に置いてあった携帯電話が振動した。どうやらメールが届いたようだ。差出人は「庵野あんの編集者」となっていた。


 俺は渋々携帯電話を開き、メールを開く。内容を見た瞬間、俺は言葉を失った。


「雋エ譁ケ縺ョ莠コ逕溘?莉頑律縺ァ邨ゅo繧」


 メールには、あの文字化けがびっしりと表示されていたのだ。俺は慌てて携帯電話を投げ捨てる。


 投げ捨てられた携帯電話のモニターに映る不気味な文字化けは、まるで生き物のように画面の中をうごめいていた。


「蠖シ螂ウ縺ョ縺ョ莠コ逕」


 文字列はどんどん膨れ上がり、やがて部屋一面を覆い尽くした。壁も床も天井も、文字化けで埋め尽くされていく。


「やめろ……来るな……」


 俺は必死に後ずさりするが、逃げ場はない。やがて文字化けの洪水が押し寄せてきて、俺の視界を覆い尽くした。

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譁?ュ怜喧縺 朧月アーク @obiroduki-yakumo

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