譁?ュ怜喧縺

朧月アーク

荳?莠コ逶ョ縺ョ迥?迚イ閠

 最初にそれを見たのは、会社の古びたデスクトップだった。


 昼休み、暇つぶしに開いたメールボックスの受信トレイに、件名すら判別できない不気味な文字列が並んでいた。その文字化けはまるで何かの暗号のようだった。件名だけじゃない。本文も同じだった。


 "谺。縺ッ縺雁燕縺?"


 差出人の名前も、送信元のアドレスも、訳の分からない漢字の羅列に飲み込まれている。誰が、何の目的で送ってきたのか、皆目見当がつかない。


 ウィンドウを閉じようとした瞬間、画面の隅でカーソルが小さく震えた。まるで、何かがまだこちらを見つめているかのように。


 私は思わず、もう一度メールを開いた。そして、このメールが私を恐怖の底に陥れることになる。


 ***


 あの日以来、私の身の周りには不可解な現象が起こり続けている。


 家にいる時、ふと背後に視線を感じることがある。振り返ると誰もいないのに、じっと誰かに見られているような不気味な感覚に襲われるのだ。


 また、家の外を歩いている時も、得体の知れない視線のようなものを感じることがあった。振り返ってみても、そこには誰もいない。


 しかし、間違いなく誰かが私を見ているのだ。その気配は日増しに強くなっているような気がする。


 そして何よりも恐ろしいのは、文字だ。世界中にある文字が私の目には文字化けしているように見える。同僚に聞いてみても、何を言ってるんだ?といった顔で心配された。


 どうやら、この文字化けは私にしか見えないらしい。私は気が狂いそうだった。目に見えない恐怖に怯える日々を過ごすうちに、私の心は次第に蝕まれていった。


 あの日以来、私の人生は一変した。文字の恐怖に怯えながら、私は夜も眠れぬ日々を送っている。そして、この呪いから解放される日が来ることをただ願うばかりの人生だった。

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