第13話 図書委員ちゃんの告白

俺は恋には性的感情が切っても切り離せない物と考えている。


「あぁ、でも勿論宇美さんのことは人として、かなり好きかな」

「……なら、付き合っても問題な――」

「だけど、それなら俺が友人に向けるのと同じ感情なんだよね」


(宇美と他の男子が同列で人として好意を持っている。それならば、性的欲求の有無こそが最低でも恋に発展するには必要不可欠だろうが、俺は宇美に対して性的に見ることが出来ないかな)


「……あ~もしかして私が門脇先輩以外の男の子と沢山ヤッてるから付き合っても不安ということですか?それなら大丈夫ですよ、徹君が毎日私と一緒にいてくれれば他の男の子と”エッチ”したりすることもありませんから」


(俺を門脇さんの代わりの束縛対象にするってことかね…)


「ごめんね…俺は宇美さんと付き合う事は出来ないよ……」


別に俺としては付き合う相手がビッチだろうが清楚だろうが気にならないのだ。そこに確かなる愛があればいいのだから。だが、俺は宇美の恋への思考をなんとなくだが理解していた。どうやら彼女は俺が探す愛への道標にはならないようだ。


宇美は不服といった表情で俺の方を睨んだ、少しビックリだった。彼女にもこんな表情が出来るなんて。


「徹君…‥貴方も私から離れるの?もしかして私の身体が穢れているから?それとも、顔が可愛くないから?でも、私のコレ凄く大きいよ?門脇先輩や竹内君達にだって凄い人気だったんだよ?」

「宇美さん……?」

「私……徹君になら何されてもいいよ。乱暴に犯してくれても構わないですし、それにお金だって用意してみせます。最近は、ソッチの方も試してみようかと思っていたところなので。あ、まさか複数とかでヤッってみたいんですか?私も数回しか経験ありませんが頑張りますよ?」


「ン


(人間の本性というものは非常に怖いねぇ…。一人の男に対して、ここまで入れ込むなんて交際したら苦労ばかりする未来が容易に想像つくな)


徐々にヒステリックになる宇美に対して少し不気味さを感じた俺が彼女を咳払いして止めた。宇美も自分の熱量が高まっていた事に気づいたのか俯き黙った。


「……」

お互い沈黙が数十秒続いたが沈黙を破ったのは宇美であった。


「すみません、本当は分かっているんです。私が相手の事を想っていても、男の人たちは皆私に対して恋していないって…‥。ですが、エッチ中には相手からの好意を感じますし、ただの気のせいだろうと思いたかったんですけど……それが私の身体を使ってエッチしたいだけで、私の中身を一切見ていないんだって…」


「気づいていたんだ……」


「はい…でも、どうしても止められなくて。門脇先輩でさえ私の身体ばかり目当てで、週に何度も家に呼ばれたりしていました。ですが一応付き合っているからか私のことを特別扱いしてくれて、一緒にデートしたり私の話を聞いてくれたりしていたんです」


「そうだね…でも宇美さんは心の何処かで気づいていながらも、ソレを欲していた。求められないと心の寂しさは埋まらないのだから…」


「何もかもお見通しなんですね……少し私の過去について聞いてくれませんか?」

「問題ない、まだ時間は沢山あるからな」

「そうですね……どこから話しましょうか…」

そう呟いて宇美は、目を瞑った。過去のことを思い出しながら自分で整理しているのだろう。






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