チョコレートの誘惑

秋の楽しみは服屋のショーウィンドウと、変わりゆく木の葉の色。


そしてチョコレート。


チョコレートが好きなのです。


夏には売られない口溶けの良いチョコレートが、気温の下がる十月頃から店頭に並び始めます。


新製品がたくさん発売されるこの季節に売り場を眺めるしあわせ。


チョコを口に入れたときも、もちろんしあわせ。


甘いものはしあわせをくれるけれど、チョコレートのそれは、他の甘味とはひと味違います。


どうしてもチョコレートでなければならないときがある。


チョコレートの魔法。


と言いたいところですが、今はインターネットで調べれば大方のところはわかってしまいますね……


チョコレートの原材料であるカカオにはテオブロミンという成分が含まれているそうです。


テオブロミンには心身に安らぎを与える作用があり、これは自然界ではカカオ以外のものにはほぼ含まれていないとか。


登山の際にチョコレートを携帯するのも、カロリー摂取のためだけではなく、テオブロミンで心を落ち着かせるためでもあるようです。



私は安らぎが欲しかったのかな。


何かにとらわれるのはいやだったのに。


だから煙草は吸わないし。


お酒は飲めるけど、無くても平気。


だけどチョコレートには、知らないうちにとらわれていました。



そうかぁ……



テオブロミンの仕業だったかぁ……


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