第2話: 信じることの怖さ

夜のフューチャースノーパーク。


葵は、スノーグローブ・シアターの前で立ち止まった。


昼間の賑わいとは違い、静かな夜のパークには、どこか別の顔があった。


「……私は、本当に夢を信じ続けられるのかな?」


そう呟いた声は、夜風に溶けて消えた。


▶ 疑念の芽生え


「葵?」


振り向くと、そこにはエレナが立っていた。


「こんな時間にどうしたの?」


「ちょっと考えごとをしてて……。」


エレナは微笑みながら隣に座る。


「もしかして、夢を信じることに迷いが出てきた?」


葵は少し戸惑った。


「……そんなことないよ。私は、夢を支えるのが仕事だから。」


「それ、本心?」


エレナの問いかけに、葵は何も言えなかった。


▶ 夢を信じるという責任


「誰かの夢を支えるって、すごく素敵なことだと思う。でもね、それって時々、すごく重たいものになることもあるんじゃない?」


エレナの言葉が、葵の胸に響く。


「私も昔、自分の夢を叶えたはずなのに、どこかで迷ったことがあった。」


「……エレナさんでも?」


「夢は、時に人を支えるけど、時に押し潰すこともある。」


葵は黙って、夜空に輝くホログラムの光を見上げた。


「私は……本当に最後まで夢を信じ続けられるのかな。」


夜の静けさが、葵の迷いをそっと包み込んでいた。

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