第2話: 揺らぐ誇り
「本当に、このままでいいの?」
エレナは、静まり返ったパークを歩きながら、自問していた。
「夢を叶えた者」として、彼女は新エリア「ドリーム・フロンティア」を完成させた。
しかし、完成後に訪れたのは達成感ではなく、満たされない空虚さだった。
▶ 夏樹との再会
「エレナさん?」
声に振り向くと、そこには夏樹が立っていた。
「久しぶりだな。」
彼の隣には葵の姿もあった。
「ドリーム・フロンティア、すごいですね! 私、感動しました!」
葵の言葉にエレナは微笑む。
「ありがとう。でも……」
「でも?」
「これでいいのか、分からないの。」
彼女の声には、迷いが滲んでいた。
▶ 夏樹の視点
「……エレナさんも悩むことがあるんですね。」
「そりゃあ、誰だって悩むでしょ。」
夏樹は少し考えてから、口を開いた。
「俺もまだ、自分の夢が本当に形になるのか分からない。でも、だからこそ続けるんです。」
「続ける?」
「そう。夢って、叶えたら終わりじゃないと思うんです。」
エレナは、その言葉を反芻する。
(私が作ったこのパークも、まだ進化の途中なのかもしれない……。)
▶ 夢を守るか、進化させるか
「エレナさんの夢は、まだ終わってないんじゃないですか?」
夏樹の言葉が、心に響く。
「……かもしれない。」
彼女はスノーグローブを取り出し、その中の光を見つめる。
「なら、私はこの夢をどうすればいいの?」
「進化させるんですよ。」
エレナの視界が、少しだけ開けた気がした。
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