第16話
同じ課で同じ仕事をし続けて、奇しくもデスクも隣同士の和泉とは同期の中でも1番仲が良かった。
せめて、和泉が辞めないでくれて良かったと、あたしはこっそり思ってる。
「寂しくなったよね。前はみんなで来たのにね。」
二人ではとてもいっぱいには出来ない。
行儀良く座って食べられる事に違和感を感じる。
「そーだな。5年後三割残ってればいい方って本当だったな・・・。」
和泉も少しさみしそうにみえるのは気のせいじゃないと思う。
体調を崩したり、寿退社だったり、スキルアップだったり・・・。
理由は様々だっけど、みんな辞めて行って今じゃ二人だけだ。
「又みんな集めて飲むか。」
「そーだね。」
それぞれ休みも違って子供がいる人も居る。
そんな簡単にはいかないのは分かっていた。
景気の良い店主の声と共に目の前に置かれた湯気の立ち上るラーメンとビール。
いつもの慣れ親しんだそれをいつもの様に口にする。
そんな風に変わらないのは、あたし達だけだ。
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